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好きなものを好きなように。

なにかおすすめある?と聞かれたのでHuluで今見られる私の好きなホラー映画を並べてみる

友人がホラー映画が見たいけど面白い作品がわからない、と言っていたので記録も兼ねておすすめ作品を並べてみたいと思います。
最近映画を見るのに私がもっぱら利用しているのが、Huluです。

Huluはいわゆる動画配信サイトですね。月額1000円程度で、映画、ドラマ、アニメなんかが見放題です。TSUTAYAで旧作が一本100円であることを考えると、一月に10本以上見るならこちらのほうがお得、という計算。
なおかつ、借りたり返したりという手間もなく、24時間好きなときに好きなだけ見られるのは魅力です。新作が見られるまでにはやや時間がかかる印象ですが、ラインナップは雑多で豊富だと思うので、私は使い分けて利用してます。レンタルになったらすぐに見たい!って作品もそうないですしねえ……そのレベルならパッケージを買う。
2015年9月現在、ここで見られる作品を独断と偏見によるジャンル分けに基づいて紹介していきます。

 

幽霊・呪い・悪魔系

回路 [DVD]

回路 [DVD]

 

 『嫌な』映画。何が起こっているのか明確に語られることなく、ただひたすら、不吉な、嫌なことが起こっている気配だけが続いていく。最終的には話の風呂敷がとんでもなく広がるので、人によっては荒唐無稽に感じるかもしれないが、個人的にはそれがとても怖かった。いつだって個人が見える世界や真実などほんのわずかなものにすぎず、わけも分からないままに巻き込まれていくのだろう。
ただし、Jホラーによくあるやたらと静かで冗長な展開が続くことも否めない。うっかり眠らないよう、体力に余裕があるときの視聴をお勧めする。

怪談新耳袋 第1夜 [DVD]

怪談新耳袋 第1夜 [DVD]

 

怪談といえばこれ。幽霊・妖怪・宇宙人・日常に起こった不思議なこと、とにかくごった煮のショートドラマ。一本5分程度なので気楽に見られる上、唐突に話が終わることが多く、興ざめの後日談やこじつけを聞かされないのもいい。なお、劇場版はB級ホラーなので見なくてもよし。全て原作となる体験談があるので、未読の人はこちらもおすすめ。

 

 荒木先生がお勧めしていたので見てみた。主人公コルトのキャラ造詣はかの岸辺露伴にも影響を与えているらしい。悪魔に関わる話なのでここに分類したが、超常的な恐怖よりも謎解きサスペンスの要素が強い。娯楽作品としても楽しめる。

 

インシディアス [Blu-ray]

インシディアス [Blu-ray]

 

 突っ込みどころはいろいろあれど、そこそこにまとまっている。主人公は奥さんかと思いきや、旦那のほうだった。なんでも悪魔のせいにするのは西洋ホラーのよくないところだと思うが、幽霊たちの表現がマネキンめいているところがいい。唯一気に入らないことがあるとすれば、音でびっくりさせようとしてくるところ。ゾッとしたいのであって、びっくりしたいわけではないので、小手先で驚かそうとされると醒めてしまう。

 

モンスター・アニマルパニック系

静岡でおなじみ、ゲーム原作映画。ちなみに私は原作未プレイだが、ホラーとしてもよくできていると思う。モンスターの造詣は魅力的だし、表の世界と裏の世界の対比も恐ろしくも美しい。話もよく纏まっている。村人たちに本気で胸糞悪くなる展開なので、最後の大殺戮シーンに『やっちまえ』という気持ちになる稀有な作品でもある。結構画的にグロいので苦手な人は注意。

 

遊星からの物体X [Blu-ray]

遊星からの物体X [Blu-ray]

 

名作SFホラー。VFX技術は当然今とは比べ物にならないが、妙ななまなましさがあって怖い。疑心暗鬼に陥った人々が閉鎖空間でばたばた死んでいく。逃げ場のない状況に、見ているこちらもストレス値が否応無しに高まっていく演出は見ていて飽きない。

 

 言わずと知れたアニマルパニックものの傑作。外したくないときはこれ。サメやばい。サメこわい。途中に入る牧歌的な登場人物たちの心のふれあいも、その後に続く惨劇のスパイスでしかないのである。

 

ミスト [Blu-ray]

ミスト [Blu-ray]

 

ひたすら鬱々と嫌な気分になる作品。モンスターものと定義したけれど、どちらかというと閉鎖空間における人間心理の恐怖である。異常事態において『常識的な正しい行動』は必ずしも正解ではなく、ザ・アメリカンヒーロー的な主人公がたどり着いたやるせない結末に心が重くなること請け合い。ラストがご都合主義的なのはご愛嬌。

 

ゾンビ系

 これが見たくてHuluに登録しました。設定的には目新しいこともない、ウィルス感染系ゾンビパニックもの。だからこそ、手堅い。人間心理の闇や、どうあがいても消耗戦な話を延々見ていると疲れてくることは否めないが、シーズン1はスピード感があってよいです。

 

死霊のえじき [Blu-ray]

死霊のえじき [Blu-ray]

 

ゾンビ云々よりも人間怖い!!を見せ付けられる作品。舞台が地下研究所なので、鬱々とすることこの上ない。しかし、そんな環境でも居心地の良い部屋を作り生きることを前向きに楽しもうとする印象的なシーンがあったり、自我がある?かもしれないゾンビがいたり、考えさせられるストーリー展開は、他ゾンビ作品から頭一つ抜けている気がする。ゾンビは有象無象であるべき、自我などいらぬ、という人にはおすすめできない。しかしこの作品の見所は最後のゾンビお食事シーン。群がってくるゾンビたちは噛み付く、というより引き裂く、引きちぎる、という動きで捕食してくる。生きたまま腹を破られる様をたっぷり見せつけられるわけで、なかなかきつい。が、これもまた他作品とは一線を画していて良いものである。見て損はしない作品。

 

殺人鬼系

スクリーム [Blu-ray]

スクリーム [Blu-ray]

 

 一言で言うと『ひたすら不運な女子高生が殺人鬼に命を狙われる話』登場人物たちが『ホラー映画ならこういう展開になる』という話を作中でするメタ的な演出あり、それになぞらえたり、裏切ったりして謎の殺人鬼も容赦なく高校生たちを血祭りに上げていく。逃げるほうも躊躇わない。襲撃シーンはスピーディーで割と早い段階で主人公が狙われるので、見ていて退屈することがなく、最後まで見ていられる。登場人物たちが特別美男美女というわけでないのもリアルでよい。2も見られるけれど、やはり1作目の完成度が高い。

 

パーフェクト・トラップ [DVD]

パーフェクト・トラップ [DVD]

 

 1作目はなぜか配信されていない。ので、いきなり始まる感はあるけれど『怪しいクラブに遊びに行ったら殺人鬼に誘拐されてしまった娘を助けるために殺人トラップだらけの屋敷に潜入する』ということだけ押さえておけば何も考えずに見られる。ソウのスタッフが関わっているらしく、ストーリーより『いかにして人の体を破壊するか』ということに重きを置いたトラップたちの発表会だと思うと良い。ただし、殺人トラップは当然ながら最初から殺すことが目的なのでソウのようなじわじわと苦痛が長引くようないやらしさはない。屋敷の中に飾られているの人体パーツを使ったオブジェは、不気味で悪趣味で魅力的。

 

痛い。とにかく視覚的に痛い。当然人体破壊も血飛沫もたんまりなので、そういうのがだめな人は見てはいけない。テキサス・チェーンソーは見ていないので、そこと比較はできないのだが、ひたすら理不尽な暴力に晒されて鬱になる。夢も希望も救いもないけれどこれでこそホラー。同じ人間のはずなのに、意思の疎通が出来ない、というのは本当に恐ろしいことである。

 

ハロウィンII HDリマスター版 [Blu-ray]

ハロウィンII HDリマスター版 [Blu-ray]

 

 これもなぜか1がない。が、これだけでも楽しめた。ブギーマンの何が怖いって、全く容赦も躊躇もないところである。狙われたらアウト。女子供も関係なし。ハロウィンがモチーフになっているので、どこか幻想的な雰囲気のある画面も美しい。

 

ソウ [Blu-ray]

ソウ [Blu-ray]

 

今更私が何かおすすめしなくても、と思ってしまう。シチュエーションホラーにも分類されると思うが、ジグソウという殺人鬼(人を殺すつもりはないらしいが)の魅力がやはり大きいと思う。バスルームに閉じ込められた二人の男、という状況なので、話が単調になるのではと心配したがとんでもなかった。息をもつかせぬ展開の連続。人の醜い部分をこれでもかと見せつけられるが、あまり嫌な気分にならないのはなぜだろう。オチを知らないのなら、ぜひネタバレを知ってしまう前に。

 

 ホラーというよりサスペンス。とにかく、レクター博士が魅力的。映画版のどこか怪物の雰囲気を色濃く漂わせた博士もいいが、こちらの『無害な顔をして、むしろ知的で上品な好人物として隣にいる男が実は食人嗜好の殺人鬼』というのは、ジョジョ4部の吉良吉影に通じる怖さがあると思う。

 

シチュエーション系

 ファイナルデッドシリーズの2作目。やはり1作目が一番良いと思うが、これはこれで楽しく見られる。ひどい死に方のオンパレード!ピタゴラスイッチ的に死が迫ってくる!というのをただ楽しむ作品なのでストーリーはとりあえず置いておいて良い。ちなみにファイナルデッドサーキットも見られるので、こちらも合わせておすすめ。

 

 ソリッドシチュエーションホラーの草分け。アイデアの勝利である。理由もなく放り込まれ、生きるためには理不尽な殺人トラップをくぐり抜けなければならない。出られるのか、そもそも出口は存在しているのか、まったく状況がわからないまま登場人物たちと同じ視点で進んでいくストレスがすごい。よくある映画では『ヒーロー』ポジションになるのだろうキャラクターが決してそうはならない辺りが皮肉である。

 

フローズン [DVD]

フローズン [DVD]

 

 正直見なくてもいいかな!という突っ込みどころ満載の映画なのだが、骨折シーンが死ぬほど痛そうでそればかりが頭に残る。むしろそこがハイライト。視覚的に痛いのが平気な人は、暇で仕方ないときにBGMがわりにどうぞ。

 

そのほか

配信は終わってしまったが、やはり『シャイニング』は名作といわれるだけあって、面白かったし怖かった。古い映画らしく展開スピードはゆるいのだけど、『ただ廊下が映されているだけなのに怖い』というのはJホラーの間の恐怖に通じるものがある。有名な『仕事ばかりで遊ばない ジャックは今に気が狂う.』のシーンはさすがにぞっとした。長編ではあるが、見て損はない。

スティーブン・キング原作なら、『1408号室』も悪くない。部屋の中だけで展開され、大半が一人芝居なのだが『部屋そのものが悪意』という不気味さと矢継ぎ早に起こる超常現象に退屈しない。何より根底に流れるテーマは切ない。全く知らない作品だったが、とても面白かった。
同じくザ・セルも良かった。ホラーというよりはサスペンスだが『猟奇的な殺人を繰り返す犯人の意識の中に飛び込む』という設定だけでハラハラする。そしてこの犯人の意識の世界が悪趣味で幻想的で恐ろしくてとても美しいのだ。話自体も恐怖よりも切なさがあり、後味も悪くない。なにより、ジェニファー・ロペスが美しい。ちなみに『ザ・セル2』は久しぶりに『見て損した』と思った作品だったので、見なくても良い。1のいいところがまったくなくなっていて残念なことこの上ない。

配信されたことのない作品でのおすすめは『ハプニング』。賛否両論の作品だが、回路と同じく『何が起こっているのかわからないけれどとてもいやなことが起こっている』という気配と、何が正しいのか分からない状況で判断を重ねなければいけない状況、見えないまま確実に脅威に取り囲まれていくということだけがわかるのは恐怖だ。それゆえラストのご都合主義感が残念ではあるが、十分に楽しめる。

 

シャイニング [Blu-ray]

シャイニング [Blu-ray]

 

 

 

1408号室 [DVD]

1408号室 [DVD]

 

 

 

ザ・セル [Blu-ray]

ザ・セル [Blu-ray]

 

 Huluは期間限定で配信している作品も多いんですが、月替わり作品だと数ヵ月後には再び見られるようになったりします。2週間の無料お試しキャンペーンなどもやっているので、興味があるならそこでまず利用してみるのもいいかな、と。私はそれでまんまとハマったくちですが!
好みは千差万別、私の名作は誰かの駄作。だが、恐ろしくて滑稽で、駄作でも名作でも『まあ良かったよ』と言えるホラーというジャンルが大好きです。気に入る作品があったら、是非私にも教えて欲しいください。